電子処方箋で医療事務の仕事はどう変わる?受付・会計で知っておきたい基本と患者さんへの説明のコツ

公開日: 2026/10/6

電子処方箋で医療事務の仕事はどう変わる?受付・会計で知っておきたい基本と患者さんへの説明のコツ

画像: PixabayのPexelsによる画像

電子処方箋ってなに?

電子処方箋は、これまで紙で渡していた処方箋を、電子データでやりとりするしくみです。2023年1月から、全国で使えるようになりました。

流れはシンプルです。

  1. 医師が処方の内容を入力する
  2. データが国の「電子処方箋管理サービス」に送られる
  3. 患者さんが薬局へ行く
  4. 薬局がそのデータを受け取って、薬を出す

紙の処方箋を持ち歩かなくても、薬局で薬を受け取れるようになります。

医療事務を目指す人にとっても、これから職場で関わる機会が増えていくしくみです。この記事では、窓口の仕事がどう変わるのかを、順番に見ていきます。

紙の処方箋とのちがい

まずは、大きなちがいを表で比べてみましょう。

くらべるところ紙の処方箋電子処方箋
患者さんに渡すもの処方箋そのもの処方内容の「控え」と引換番号(※)
薬局に届く方法患者さんが紙を持っていく薬局がデータを受け取る
飲み合わせのチェックその医療機関・薬局の情報が中心ほかの医療機関・薬局の処方も見て確認できる
なくしたときの困りごと再発行の手間がかかるデータがあるので、紛失の心配が少ない

※控えの渡し方は、医療機関や患者さんの受け取り方で変わることがあります。

いちばんのポイントは、「同じ薬が重なっていないか」「一緒に飲んではいけない薬がないか」を、ほかの病院の処方も含めて確認しやすくなることです。患者さんの安全につながるしくみなんですね。

医療事務の仕事はどこが変わる?

電子処方箋を使っても、医療事務の基本の仕事(受付・会計・レセプト)はなくなりません。ただし、窓口での確認や説明が少し増えます。

1. 受付での確認

電子処方箋は、マイナ保険証を使ったオンライン資格確認とあわせて使われることが多いです。受付では、次のような確認が増えます。

2. 会計での「控え」の受け渡し

電子処方箋のときは、処方箋のかわりに処方内容の控えを渡すことがあります。控えには、薬局で使う引換番号がのっています。

会計のときに「こちらは処方箋の控えです。薬局でこの番号を使います」とひとこと添えるだけで、患者さんは安心できます。

3. 薬局の対応状況の確認

すべての薬局が電子処方箋に対応しているわけではありません。患者さんがいつも使う薬局が対応していないときは、紙の処方箋で出すことになります。

「いつもの薬局はどちらですか?」と先に聞いておくと、あとで困りません。対応している薬局は、厚生労働省のサイトなどで調べられます。

患者さんへの説明のコツ

電子処方箋は、患者さんにとってもまだ新しいしくみです。窓口でよく出る質問と、答え方の例をまとめました。

Q. 紙の処方箋はもらえないの? 「薬局で使う番号がのった控えをお渡しします。紙の処方箋がよければ、そちらにもできますよ」

Q. どの薬局でも使えるの? 「電子処方箋に対応している薬局で使えます。いつもの薬局が対応していなければ、紙でお出しします」

Q. 前の病院の薬の情報が見られるのはこわい 「同意していただいた場合だけ、医師が確認できます。同じ薬が重なったり、飲み合わせの悪い薬が出たりするのを防ぐためのものです」

説明のコツは、むずかしい言葉を使わず、「患者さんにとって何がいいのか」を一言で伝えることです。「安全のため」「紙をなくしても大丈夫」など、短い言葉が伝わりやすいです。

未経験の人が今からできる準備

電子処方箋のくわしい操作は、職場ごとのシステムで変わります。そのため、入職してから覚えることがほとんどです。それでも、次のことを知っておくと面接や研修で役に立ちます。

処方箋や保険のしくみは、医療事務の資格の勉強でも基礎として学びます。資格の勉強は、こうした新しい制度を理解する土台にもなります。

まとめ

医療の現場は、少しずつデジタル化が進んでいます。新しいしくみを「むずかしそう」と思わずに、基本の流れから押さえておきましょう。それが、窓口で頼られる医療事務への近道です。