マイナ保険証で医療事務の仕事はどう変わった?受付・資格確認・レセプトの実務をやさしく解説
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画像: PixabayのRodrigo_SalomonHCによる画像
医療事務の勉強を始めようとしている人から、こんな声をよく聞きます。
「マイナ保険証になって、受付の仕事はどう変わったの?」 「機械が読み取ってくれるなら、医療事務の仕事は減っていくのでは?」
結論から言うと、受付のやり方は確かに変わりました。ただし、医療事務の出番が減ったわけではありません。むしろ、患者さんに案内したり、うまくいかないときに対応したりする仕事が増えています。
この記事では、マイナ保険証とオンライン資格確認で受付の何が変わったのかを、未経験の人にも分かるように整理します。
マイナ保険証とオンライン資格確認とは
まず、言葉の意味を短く確認しましょう。
- マイナ保険証:マイナンバーカードを健康保険証として使うこと
- オンライン資格確認:患者さんが今どの健康保険に入っているかを、その場でオンラインで確かめる仕組み
昔は、受付で紙やカードの保険証を目で見て、記号・番号や有効期限を確認していました。今は、受付に置かれた顔認証付きカードリーダーにマイナンバーカードを置いてもらい、顔認証か4桁の暗証番号で本人確認をします。そのうえで、保険の資格情報がオンラインで確認されます。
なお、2024年12月2日以降、これまでの健康保険証は新しく発行されなくなりました。マイナ保険証を持っていない人には、加入している保険者から資格確認書が交付されます。つまり受付では、マイナンバーカードの人と資格確認書の人の両方に対応することになります。
昔の受付と今の受付の違い
| 項目 | 以前の受付 | 今の受付 |
|---|---|---|
| 保険の確認 | 保険証を目で見て確認 | カードリーダーでオンライン確認 |
| 入力作業 | 記号・番号などを手入力 | 読み取った情報をシステムに取り込む |
| 資格の間違い | 後で分かることがあった | その場で気づきやすい |
| 患者さんへの対応 | 保険証の預かり・返却 | 機械の操作案内・エラー時の説明 |
| 高額療養費 | 限度額適用認定証を持参してもらう | 同意があれば認定証がなくても限度額が適用される取り扱いがある |
大きな変化は、手で書き写す作業が減った代わりに、人に説明する作業が増えたことです。
受付の新しい流れ(5ステップ)
医療機関によって細かい違いはありますが、おおよそ次の流れです。
- 患者さんにカードリーダーへの案内をする
- 顔認証または暗証番号で本人確認をしてもらう
- 薬の情報や健診の情報を医療機関に提供してよいか、患者さん自身に選んでもらう
- 読み取った資格情報を受付システムに取り込む
- 問題があればその場で確認し、必要な手続きをする
3番の同意は、あくまで患者さん本人が決めることです。医療事務が代わりに操作したり、同意をすすめたりするのは適切ではありません。困っている様子のときは、画面の見方を説明するところまでにとどめるのが基本です。
エラーが出たときが本当の腕の見せどころ
現場で多いのは、次のようなケースです。
- 転職や引っ越しの直後で、新しい保険の情報がまだ反映されていない
- 顔認証がうまくいかない、暗証番号を忘れてしまった
- マイナンバーカードを家に置いてきてしまった
- そもそも機械の操作に不安がある高齢の患者さん
こうしたときは、慌てずに落ち着いて対応することが大切です。資格の情報が確認できない場合の取り扱いは、医療機関ごとにルールが決められています。自己判断で処理せず、必ず職場の手順に従い、迷ったら先輩や責任者に確認しましょう。
未経験の人にとって安心なのは、この対応は機械の知識ではなく、丁寧な声かけと確認の習慣でカバーできる部分が大きいという点です。
レセプト業務への影響
オンライン資格確認では、その場で保険の資格を確かめられます。そのため、保険が切れていたことに後から気づいて請求が差し戻される、いわゆる資格の間違いによる返戻は減りやすくなります。
とはいえ、返戻がなくなるわけではありません。病名の付け忘れ、算定のルール違反、入力ミスなど、資格以外の理由による返戻は今も起こります。診療報酬のルールを理解する力は、これまでどおり医療事務の中心となる力です。
未経験から目指す人が準備しておきたいこと
これから資格を取る人が意識しておくと良いのは、次の3つです。
- 基本のパソコン操作に慣れておく。特別な技術は不要で、マウス操作と文字入力ができれば十分なことが多いです
- 説明する練習をする。専門用語を使わず、短い言葉で伝える力が受付では役立ちます
- 保険の基本を理解する。誰がどの保険に入っているのか、窓口で何割払うのかという土台は変わりません
なお、医療事務の試験で中心になるのは、診療報酬の算定やレセプトの作成です。マイナ保険証の操作そのものが試験の主役になるわけではないので、まずは基礎をしっかり固めるのが近道です。
講座選びで気になる場合は、資料請求のときに、教材が最近の制度に合わせて更新されているかを確認してみてください。ユーキャンや日本医療事務協会、大栄、スタディングなど、通信講座は各社で教材の作り方や学習期間が違うので、比べてから決めると安心です。
よくある質問
機械が入ったことで医療事務の求人は減りますか。 受付の作業は一部が自動になりましたが、会計、レセプト、患者さんへの対応など、人が担う仕事は多く残っています。今のところ、募集が急に無くなるという状況ではありません。
パソコンが苦手でも大丈夫ですか。 カードリーダーの操作自体は難しくありません。ただ、受付システムへの入力はあるので、文字入力に慣れておくと安心です。
マイナ保険証を持っていない患者さんはどうなりますか。 資格確認書を持参してもらう形になります。受付では両方のパターンに対応できるようにしておく必要があります。
制度はこれからも変わりますか。 医療の制度は見直しが続く分野です。働き始めてからも、職場のお知らせや公式情報で最新の内容を確認する習慣を持っておくと安心です。
まとめ
マイナ保険証とオンライン資格確認によって、医療事務の受付は、書き写す仕事から案内する仕事へと重心が移りました。機械が増えても、患者さんに寄り添って説明する役割はむしろ大切になっています。
未経験からでも、保険の基礎と丁寧な対応を身につければ十分に活躍できます。制度の変化を怖がらず、まずは基本の知識から学び始めてみてください。